以前、会社の健康診断で肝機能検査の結果が非常に悪く、かなり不安になったことがありました。インターネットで調べると「すぐに病院へ行くべき」といった情報ばかりで、焦りました。しかし、実際に病院で再検査を受けたところ、そこまで深刻ではないことがわかりました。
診察していただいた先生に診断結果の用紙を見せたところ、私が気にしていた項目以外にも確認すべき項目があり、それらは正常だったため「問題なし」という診断を受けました。その後、反省して飲酒量や食事量を減らし、再度検査を受けた結果、肝機能の数値も正常範囲に戻りました。
この経験を通じて感じたのですが、食べる量を減らすのは意外と難しいものです。空腹の状態では仕事に集中できませんし、特に残業で遅くなることを考えると、お昼はしっかり食べておきたいのが普通だと思います。
そこで、食べる量は他の人と同じくらいだと思い、お酒を控えることにしました。会社で出るお弁当の量から、食べ過ぎているとしたら朝食か夕食だと判断しました。朝はおにぎり1個程度なので、それほど多くはありませんが、夜はお酒を飲みながら食事をしていたため、正確にどのくらい食べていたのか覚えていませんでした。実際、飲酒中はどれだけ食べたかを意外と覚えていないものです。
話を戻しますと、健康診断で悪い数値が出た原因はおそらくお酒だと思い、一度禁酒を試みることにしました。しかし、毎日の習慣として仕事が終わるとすぐに冷蔵庫からお酒を取り出していたので、急にやめるのは難しいと感じました。禁酒を決めたとき、自分が「一生懸命働いた後の楽しみがお酒だ」と思っていることに気づきました。これが「お酒の誘惑」というものなのでしょうね。朝には「今日は飲まないぞ」と決意しても、帰宅するとやはり飲まないと1日が終わらない感じがしました。
ただ、お酒を飲むとすぐに眠くなり、夜中に何度も目が覚めたり、当然ですが車の運転ができなくなります。朝は胃の調子が悪く、ほぼ毎日胃薬を飲んでいました。これは良くないと感じ、禁酒を真剣に考えたのですが、今度は「お酒を飲まないと眠れないかもしれない」という不安が出てきました。眠れないと翌日の仕事に影響が出ると思うと、またお酒に手を伸ばしてしまいました。
そこで、まずは休日の前にお酒を飲まないことから始めました。翌日が休みなら、もし眠れなくても問題ないし、昼寝すれば良いと考えたのです。最初に金曜日の夜からお酒を控え、代わりに炭酸水を飲むことにしました。インターネットで調べたところ、炭酸水が良いという情報があったので、早速試してみました。強炭酸のものを飲んでみたところ、喉を通る刺激が意外と満足感を与えてくれました。もしかしたら、私が求めていたのはアルコールによる酔いではなく、喉越しの刺激だったのかもしれません。
炭酸水はお酒よりも美味しく、特に夏場には冷やした炭酸水が最高です。それに、運転も問題なくできるし、経済的です。ただ、悪い癖で炭酸水を大量に買いだめしてしまい、ペットボトルのごみが溜まりました。それで、炭酸水メーカーを購入しました。この装置は自分で炭酸水を作れるため、ペットボトルごみも減り、コストも節約できて大満足です。
お酒をやめたことで、眠れないかもという心配も杞憂に終わりました。実際には、疲れていれば自然に眠くなるものです。お酒を飲んでいたときは、夜8時台に寝てしまうことがありましたが、お酒をやめたことで11時頃まで起きていられるようになり、夜の時間を有効に使えるようになりました。また、朝起きたときのすっきり感が違います。以前は「また仕事か」と憂鬱な気分でしたが、今では「今日はこれを頑張ろう」と前向きに思えるようになりました。
さらに、日中の眠気やだるさも減り、仕事中の集中力が向上しました。睡眠の質が上がったことで、夜中に目が覚めてもすぐに眠れるようになり、目覚まし時計の鳴る前に目が覚めることが増えました。これが「睡眠の質が向上する」ということなのだと実感しています。
とはいえ、完全に禁酒するのは難しいものです。飲み会などでお酒を断ることはできても、送別会など特別な場面ではなかなか断りにくいです。そんなときは、ノンアルコールビールやジュースを選ぶことにしています。ノンアルコールビールも今では非常に美味しくなっており、選択肢が広がりました。
今では、お酒を完全にやめるのではなく、たまに飲む程度に抑えています。特に親に勧められたときなど、断りにくい場面もあるので、適度に楽しむことにしています。親ってのは悪意があってお酒を勧めてくることは絶対にありません。しかも断ると体の心配までさせちゃいますので、お酒を出してくれたら、そんなときは飲むようにしています。
ノンアルコールビールを飲む機会も増えましたが、これも飲み会でお酒を飲まないという意思表示に役立っています。
結局、禁酒を通して得られたのは「しっかりとした睡眠」と「日中の充実感」でした。お酒を控えることで、体調も仕事のパフォーマンスも向上し、今ではお酒を飲むと逆に損をしている気分になります。